「スタック・イン・ザ・ミドル」とは?企業が陥る中途半端な戦略のリスクを解説

Stuck in the Middle 株式投資
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ビジネス戦略において、「コストリーダーシップ」と「差別化戦略」は両極の選択肢とされます。しかし、そのどちらも中途半端に追求した結果、企業が競争優位を失う「スタック・イン・ザ・ミドル(戦略の狭間にスタックする状態)」に陥ることがあります。本記事では、この「スタック・イン・ザ・ミドル」とは何か、その背景やリスク、実際の企業事例を交えて分かりやすく解説します。自社の戦略を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてください。

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スタック・イン・ザ・ミドル

コストリーダーシップと差別化戦略を同時に追い求めて中途半端になっている状況のことで、こうした企業は往々にして業績の低迷に苦しめられると言われています。

  • コストリーダーシップ…コスト優位性を追求する戦略です。例えば、個別指導塾に入塾すると、集団授業は無料で受講できるような低価格やお得感を出して市場に提供するような戦略。
  • 差別化戦略…何らかのユニーク性を打ち出していき、それを使って優位性を発揮しようとする戦略です。例えば、学習塾でいうと、志望校に100%合格させるとか、成績アップ保証、全員プロ講師などがそれにあたります。

結果として中途半端に

安くてユニークであることが最強ということでありますが、安くすると、売り上げが上がらず、売り上げをあげようとすると、人件費など費用がかさみます。いい人材が確保できない、教育できないなど、その優位性が保たれないなど、安さを追求すると、優位性が落ちるといったことになります。

結果として、二兎追うものは一兎をも得ずという中途半端な状況が起こりうるということです。中途半端な価格に、中途半端な優勢性です。それを回避するには、どちらかに資源を集中投下した方がいい場合があるというのが、マイケル・E・ポーターが説いたことです。

スタック・イン・ザ・ミドル(戦略の狭間に陥る)」の実際の企業事例

ファーストリテイリングの「SKIP」(生鮮野菜事業)
  • 概要:本業のアパレルで得た流通やブランド力を活かし、生鮮野菜生産・販売に参入。
  • 失敗要因:ユニクロ流モデルそのままの展開で、農業特有の品質管理や需要予測が甘く、顧客ニーズを捉えきれず。
  • 結果:2002年開始、約1.5年後の2004年2月に撤退。約26億円の特別損失。
大塚家具の中価格帯路線転換
  • 概要:高級家具ブランドとしてのポジションを捨て、中価格帯へ展開を試みた。
  • 失敗要因:高所得層向けというブランド認知が強く、中価格帯展開が既存顧客とのズレを生む。
  • 結果:業績悪化し、最終的に2022年5月にヤマダ電機との吸収合併に至る 。
サーキットシティ(Circuit City)
  • 概要:60年の歴史を持つ家電量販店。価格ではWalmartやTargetに負け、サービスではBest Buyに劣る。
  • 結果:2009年に破産・倒産
IBMのPC事業
  • 概要:価格帯は高いが特色もなく、Dellなど低価格ながら品質も担保する競合に敗れる。
  • 結果:PC部門を撤退。
リーバイス(Levi’s)
  • 概要:1990年代初頭、製造コストの高い国内工場に留まり続け、価格競争から脱落。
  • 結果:市場シェアを奪われ、米国工場はほぼ閉鎖へ。

戦略的教訓

中途半端な「差別化」や「多角化」は、既存ブランドとの整合性、業界特性や顧客ニーズを慎重に精査しないまま進むと、競争力を失うリスクがあります。
自社が本当に提供できる価値、想定する顧客が真に求めるものを徹底分析し、選択と集中を意識した戦略設計が重要です。

ポイント 観察内容
立ち位置の曖昧さ 新展開が既存の領域とも差別化できず、明確な強みが形成できない。
既存の強みの過信 コア事業の成功パターンをそのまま他領域に適用し、ニーズを見誤る。
顧客ニーズとのズレ 本質的に求められる価値と企業が提供できる価値にミスマッチが生じる。
学び
ポイント 内容
共通要因 価格競争でも独自性でも勝ちきれず、明確な立ち位置を失う
結果 中位での競争に巻き込まれ、顧客も取れず利益も伸びずに衰退しがち
回避策 コスト戦略か差別化戦略のどちらかに軸足を置き、ビジネスモデルを徹底することが肝要

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