経済分野第39講【高校・政治経済】外国為替相場のしくみについてまとめています。外国為替とは、読んで字のごとく、円、ドル、ユーロといった異なる通貨を交換することです。このあたりについて詳しく解説しています。
外国為替相場のしくみ
遠隔地との取引では、現金を移動せずに為替を使って送金がおこなわれる。通貨の異なる外国との貿易は、外国為替手形で決済される。このとき、自国通貨と他国通貨の交換が必要になるが、この交換比率のことを外国為替相場あるいは為替レートといい、外貨の取引がおこなわれる場を外国為替市場とよぶ。
基軸通貨
通常は、国際的な基軸通貨であるアメリカ合衆国のドルに対して、「1ドル = 100円」のように示される。基軸通貨とは国際間の決済や金融取引に多く使用される通貨のことで、経済力が強く、国際的に最も信頼されている国の通貨が使われるのが通例である。
日本の外国為替相場
固定為替相場制と変動為替相場制の違いや、円高・円安の影響についてみていきます。
固定為替相場制
日本の外国為替相場は、第二次世界大戦後の四半世紀にわたって1ドル=360円に固定されていた。これを固定為替相場制という。しかし、アメリカの国際収支の悪化からドル危機がおこり、1973年から変動為替相場制へ移行し、今日に至っている。
変動為替相場制
変動為替相場制では、外国為替市場で外貨に対する需要と 供給によって為替レートが決まる。
- 円よりドルへの需要が多ければ、円安・ドル高
- ドルより円への需要が多ければ、円高・ドル安
国際収支の変動
<円高・ドル安>
日本の輸出額が増え、経常収支の黒字が続き、外貨準備高が多くなれば、日本の通貨「円」に対する信頼が高まり、為替相場は円高・ドル安になる。
- 円高になれば、外国でドルを使用して購入する日本製品のドル建て価格は高くなる
↓ - 日本の輸出品への需要は減少する
↓ - さらに、円高はドル建てで購入する輸入品の価格を安くし、輸入量を増やす結果を招き外貨が多く流出する。
↓ - その結果、貿易収支の黒字幅は縮小する。
<円安・ドル高>
- 輸出が好調になり輸入が減少
↓ - 貿易収支は黒字に向かう。
このように、為替相場が変化する ことによって、各国の経常収支は調整される。
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