株式投資の魅力のひとつが「株主優待」です。
配当金とは別に、自社商品や食事券、ギフトカードなどがもらえる優待制度は、日本株ならではの楽しみでもあります。
近年は、物価上昇や節約志向の高まりを背景に、実用性の高い優待銘柄への関心が急上昇しています。とくに外食系、日用品系、QUOカード系の優待は個人投資家から根強い人気があります。
本記事では、
・優待内容の魅力
・人気の理由
・投資対象としての視点
を踏まえながら、日本国内で注目されている優待人気銘柄10選を厳選してご紹介します。
「優待も楽しみたい」「長期保有でメリットを得たい」という方は、ぜひ参考にしてください。
株主優待とは?優待人気銘柄が個人投資家に支持される理由

株主優待とは、企業が一定数以上の自社株を保有する株主に対して、自社商品やサービス券、割引券、カタログギフトなどを贈る制度です。配当金とは別に受け取れる“もう一つのリターン”として、日本の個人投資家に根強い人気があります。
特に日本市場では、優待文化が発達しており、長期保有を促す仕組みとして多くの上場企業が導入しています。例えば、総合小売大手のイオン(8267)のキャッシュバック型優待や、テーマパーク運営のオリエンタルランド(4661)のパスポート優待などは、実用性とブランド力の両面から高い支持を集めています。
優待人気銘柄が注目される理由は大きく三つあります。
第一に「実質利回りの向上」です。配当に優待価値を加えることで、体感的なリターンが高まります。
第二に「生活防衛効果」です。外食券や日用品割引などは物価上昇局面で価値を実感しやすい特徴があります。
第三に「長期保有インセンティブ」です。保有期間に応じて優待内容を拡充する企業も多く、株主の定着につながっています。
一方で、優待銘柄は人気が過熱すると株価が割高になるケースもあります。そのため、優待内容だけでなく、業績の安定性や成長性、配当水準もあわせて確認することが重要です。
本記事では、こうした視点を踏まえながら、日本国内で注目される優待人気銘柄10選をランキング形式で紹介していきます。
■ アドバンスクリエイト(8798)

※現在、優待休止中
アドバンスクリエイトは、保険・資産運用関連サービスを提供する企業で、100株以上保有するとカタログギフトなどがもらえる株主優待が人気です。株主優待は実用的な商品が選べるため、生活者目線でも評価されています。投資妙味としては、比較的中小型株のため株価が優待人気で底堅い傾向にあり、優待・配当利回りを重視する個人投資家に支持されやすい銘柄です。長期保有による優待強化を期待する投資家にも注目されます。
100株保有で大丸・松坂屋フリーチョイスギフト「ロビン」(税込4,180円)+優待サービス「Club Off」(全国施設の優待割引)を提供。2024年9月分よりカタロググレードアップ(2,970円→4,180円)し実質拡充。優待利回りは一時13%超と高水準だった。2021年の株式分割で最低投資額が低下し人気優待となった。
■ 第一屋製パン(2215)

第一屋製パンはパン・焼き菓子を製造する食品企業で、自社製品詰め合わせの優待が人気です。消費者の生活に直結する商品を扱うため、優待の価値が分かりやすいのが魅力です。投資妙味としては、景気の影響を比較的受けにくい日常消費財セクターに属しており、安定した収益基盤に加えて優待で株主還元が期待できる点で個人投資家の関心を集めています。優待だけでなく配当利回りも一定水準を保っている点も評価できます。
100株以上保有の株主に自社・子会社製造の焼き菓子詰め合わせを進呈。毎年商品内容が変わる楽しみがあり、自社製品を直接手にできる「実物優待」として評価が高い。パンや菓子メーカーとしての実力を体感できるため、ファン株主の獲得に貢献。株価水準が低く少額から投資しやすい点も魅力。
■ ヤーマン(6630)

ヤーマンは美容・健康機器メーカーとして知られ、株主優待として自社製品や割引券が得られるケースが人気です。特に美容や健康への関心が高い個人投資家から評価されています。家電や健康関連商品は消費者需要が底堅く、企業業績の安定性を支えるセクターです。投資妙味としては、優待だけでなく市場でのブランド力や独自性があることから、成長期待を織り込みやすく、中長期での株価上昇も期待できます。
100株以上保有でオンラインストア・一部直営店で使える割引券(5,000円分〜)。長期保有優遇が充実しており、1年以上で7,000円分、2年以上で10,000円分、5年以上で13,000円分に拡充。高価格帯の美容機器が優待価格で購入でき、特に女性投資家に人気。2024年分からリアル店舗利用も可能になり使い勝手が向上。
■ 日本航空(9201)

日本航空(JAL)は国内外の航空事業を展開し、100株以上の保有で国内線株主割引券やツアー割引などの優待特典が得られます。航空業界は景気敏感株ですが、優待の割引率の高さや旅行需要の回復余地が投資家人気の背景です。投資妙味としては、業績回復局面で株価が大きく反応しやすい点にあり、優待だけでなく配当や中長期的な成長見通しも評価材料になります。旅行好きの個人投資家には魅力的な優待株です。
年2回(3月末・9月末)に国内線50%割引の株主割引券を配布(保有株数に応じて枚数増)。加えて旅行商品7%または5%割引券も提供。実際に飛行機を利用するたびに恩恵が得られる「使えば使うほどお得」な優待。出張・帰省・旅行で頻繁に航空機を利用する方には特に高還元。金券として転売需要も高く流動性に優れる。
■ 大和証券グループ本社(8601)

大和証券グループは総合証券会社で、名産品・雑貨、四季報、ホテル・ゴルフ割引など選べる優待が特徴です。金融株としての配当利回りも魅力があり、株主優待と配当の両取りが狙える点で人気があります。投資妙味としては、金融サービス全般の成長と資産運用需要の高まりを背景に収益基盤が安定しているため、優待株と割安金融株の中間的な性格を持ち、長期投資家にも支持されています。
1,000株以上で名産品・雑貨(2,000円相当)または「会社四季報」から選択可能(年2回・3月末と9月末)。さらに投資先ホテル・ゴルフ場の宿泊10〜15%割引券「ホテル・施設優待利用券」が付帯する多彩な構成。配当利回りも高水準を維持しており、総合的なインカムゲインとして評価できる証券株優待の代表格。
■ 日本M&Aセンターホールディングス(2127)

※現在、優待休止中
日本M&Aセンターは中堅・中小企業向けのM&A仲介サービスを提供しており、100株以上で1年以上保有すると魚沼産コシヒカリ5kgなどがもらえる優待が人気です。安定成長が期待されるM&A市場を背景に、業績拡大とともに株主優待への注目度が高まっています。投資妙味としては、事業の成長性と優待の実用性を両立しており、株主優待の魅力度が長期保有のインセンティブとして機能します。
株主優待は2024年3月末の優待(魚沼産コシヒカリなど)をもって廃止。廃止の理由として「全株主への公平な利益還元」として配当性向の引き上げ・増配にシフト。優待廃止後は配当利回りに注目が集まる形に転換しており、インカム投資家にとって配当銘柄として再評価されている。
■ JMホールディングス(3539)

JMホールディングスは食肉関連事業を展開し、100株以上保有で肉製品などの優待が受けられます。特に家庭消費に直結する商品が優待として提供されることから、節約志向の個人投資家に支持されています。投資妙味としては、食肉需要が安定している点や業績の堅調さに加えて、優待の実用性が高い点が評価されています。食料品セクターは安定的な需要に支えられるため、優待株としての人気が持続しています。
年1回(7月末)の優待で①自社グループ商品券 ②南魚沼産こしひかり ③精肉関連商品の3択から好みで選択可能(継続保有1年以上で内容拡充)。精肉専門スーパーならではの高品質肉を直接受け取れる優待は希少性が高い。コメ・食品・商品券と用途も幅広く、生活密着型の実用優待として評価される。
■ クスリのアオキホールディングス(3549)

クスリのアオキはドラッグストア事業を展開し、株主優待として買物券・割引券が人気です。ドラッグストア業界は生活必需品セクターとして景気変動の影響が比較的小さいのが特徴です。投資妙味としては、業績が堅調な店舗拡大戦略と、株主還元策としての優待・配当のバランスが評価され、中長期投資の魅力を高めています。また、日常的に使える優待内容は株主満足度向上にもつながっています。
100株以上で①割引カード(3〜7%)②Aocaギフトカード③Visaギフトカード④地方名産品の4択(5月20日基準日)。近隣店舗があれば年間を通じて節約に直結する買い物割引カードが最も実用的。2026年3月末基準日以降は新優待制度へ移行予定で注目。保有株数・保有期間に応じた多段階設計で長期保有にも報いる構成。
■ オリエンタルランド(4661)

オリエンタルランドは東京ディズニーリゾートを運営し、パスポート引換券や限定グッズなど優待が人気です。テーマパーク事業は集客力とブランド力が強く、優待の付加価値も高いです。投資妙味としては、観光需要の回復や海外インバウンドの増加など成長余地が評価されます。優待は株主のリゾート利用を促すもので、ファン層の強さが株価の下支え要因となることもあります。
年2回(3月末・9月末)の基準日に株主用1デーパスポートを配布(100株で年1枚、保有株数増加で枚数増加)。長期保有者には追加1枚の優遇制度あり。定価を超える転売需要があるほど希少性が高く、「夢の国に招待される株主優待」として国内随一の知名度と人気を誇る。子育て世代・ディズニーファンに不動の支持。
■ イオン(8267)

イオンは総合小売業として安定した収益基盤を持ち、株主優待として買物割引カード(キャッシュバック型)が高い人気を誇ります。生活者にとって日常必需品の割引は実用性が高く、優待価値を感じやすいのが特徴です。投資妙味としては、大型流通企業としての安定性に加えて、優待を含む株主還元策が個人投資家の支持を集め、中長期投資戦略としても有力です。優待と配当のバランスが取れた銘柄として評価されています。
100株以上で「オーナーズカード」を発行(本人+家族カード計2枚)。毎月の買い物金額に対して保有株数に応じ1〜7%を半期ごとにキャッシュバック(半期上限100万円)。毎月20・30日の「お客様感謝デー」5%割引と重ねて使用可能。イオンシネマ等での割引・イオンラウンジ利用権も付帯。日常の食費節約に直結する家計直結型最強優待の一つ。
まとめ|優待人気銘柄は「業界分散」と「実用性」で選ぶ
今回紹介した優待人気銘柄10社は、業界ごとに分けて見ることで、より戦略的な投資判断が可能になります。
■ 小売・生活必需品系
イオン(8267)、クスリのアオキホールディングス(3549)、第一屋製パン(2215)、JMホールディングス(3539)は、生活に直結する優待が魅力です。物価上昇局面でも恩恵を実感しやすく、ディフェンシブ性が高いのが特徴。安定志向の長期投資に向いています。
■ サービス・レジャー系
オリエンタルランド(4661)、日本航空(9201)は、体験型優待が人気です。景気敏感株の側面はありますが、ブランド力が強く、業績回復局面では株価上昇余地も期待できます。
■ 金融・成長サービス系
大和証券グループ本社(8601)、日本M&Aセンターホールディングス(2127)、アドバンスクリエイト(8798)は、優待に加えて事業成長ストーリーも注目材料。優待+配当+成長性の“三拍子”を狙える銘柄群です。
■ 美容・ヘルスケア系
ヤーマン(6630)は、美容・健康需要を背景にブランド力を持つ企業。優待と成長期待を両立できる銘柄として位置づけられます。
■ 投資戦略のポイント
優待人気銘柄は「利回りの高さ」だけで選ぶのではなく、
・業界分散
・業績の安定性
・優待の実用性
・中長期の成長性
を意識することが重要です。
生活必需品で安定を取りつつ、レジャーや成長株で値上がり益も狙う――このバランス型戦略こそが、優待投資を長く楽しむコツと言えるでしょう。
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