原子力発電関連の日本株10選|注目の本命銘柄を徹底解説

原子力発電関連の日本株10選 株式投資
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エネルギー安全保障の強化、電力価格の安定、そして脱炭素社会の実現に向けて――いま再び「原子力発電」が注目を集めています。

日本では原発の再稼働が進み、さらに次世代革新炉(SMR・高温ガス炉など)の研究開発も本格化。加えて、AIやデータセンターの拡大による電力需要の増加を背景に、安定電源としての原子力の重要性が再評価されています。

こうした流れを受け、原子力関連の日本株にも中長期的な成長期待が高まっています。

本記事では、

・原発再稼働の恩恵を受ける電力会社
・原子炉・タービン・制御装置を担う重電メーカー
・燃料・メンテナンス・廃炉ビジネス関連企業
・次世代原子炉・核融合分野の注目銘柄

といった観点から、原子力発電関連の日本株10選を厳選し、事業内容・成長ストーリー・投資視点をわかりやすく解説します。

原子力テーマは「短期の材料株」ではなく、政策・技術・地政学リスクが絡む中長期テーマです。
その構造を理解した上で、有望銘柄を見極めていきましょう。

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なぜ今、原子力発電関連株が注目されているのか?再稼働・次世代炉・脱炭素の3大追い風

なぜ今、原子力発電関連株が注目されているのか?
原子力発電関連株が再び投資家の関心を集めています。その背景には、単なるテーマ循環ではない「構造的な変化」があります。特に重要なのが、①原発再稼働の進展、②次世代原子炉(SMRなど)の実用化期待、③脱炭素社会への政策加速という3つの追い風です。

① 原発再稼働の本格化

日本ではエネルギー安全保障の観点から、原子力の活用が現実路線として進められています。火力発電の燃料価格高騰や地政学リスクの高まりを受け、「安定電源」としての原子力の価値が再評価されています。

原発が再稼働すれば、電力会社の燃料コストは大きく低減し、収益体質は改善します。同時に、保守・点検・設備更新需要も拡大し、重電メーカーやプラント関連企業にも恩恵が波及します。これは単発の材料ではなく、長期的なキャッシュフロー改善に直結するテーマです。

② 次世代革新炉(SMR)への期待

世界的に注目されているのが「SMR(小型モジュール炉)」です。従来型より安全性が高く、建設コストも抑えられるとされる次世代原子炉は、脱炭素と電力安定供給を両立させる技術として期待されています。

日本企業も部材供給や設計技術で関与する可能性が高く、重工・素材・精密機器メーカーに新たな成長機会が生まれています。さらにAIやデータセンターの電力需要増加は、安定電源の必要性を一段と高めています。

③ 脱炭素政策の加速

2050年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーだけでは電力の安定供給が難しいという現実もあります。原子力はCO₂をほぼ排出しないベースロード電源として、政策的な位置付けが明確になりつつあります。

政策が後押しするテーマは、中長期で資金が入りやすい傾向があります。特に、原子力関連は「国策色」が強く、予算措置や制度整備が進めば、関連銘柄の業績見通しは大きく変わります。

原子力関連株は“電力株”だけではない

重要なのは、原子力関連銘柄は電力会社だけではないという点です。

・原子炉・タービンを手がける重電メーカー
・圧力容器や特殊鋼を供給する素材企業
・メンテナンス・廃炉ビジネスを担う工事会社
・放射線計測や制御機器を扱う精密機器メーカー

など、裾野は非常に広いのです。

テーマ株として短期資金が入る局面もありますが、本質は「インフラ×政策×技術革新」という長期ストーリーにあります。だからこそ、業績との連動性や受注残、技術的優位性を見極めることが重要です。

次章では、こうした構造変化を踏まえ、原子力発電関連の注目日本株10社(+1社)を具体的に解説していきます。

東京電力ホールディングス(9501)

東京電力ホールディングス(9501)
日本最大級の電力会社で、柏崎刈羽原子力発電所など原子力設備を保有。福島第一原発事故以降は安全対策・規制対応コストが重い一方、再稼働や新しい安全基準で稼働率向上の可能性あり。電力需給逼迫下で収益改善余地が大きく、安定配当やインカム投資としても注目される。原子力関連の政策恩恵を受ける代表的な大型株。

原子力銘柄としての強み
・柏崎刈羽7号機 再稼働準備
・廃炉技術 国内最高水準
・大型原子力インフラ保有
・国策銘柄 政府バックアップ

柏崎刈羽原子力発電所の7号機が再稼働に向けた手続きを進行中。再稼働が実現すれば収益への大幅プラスが見込まれ、政府の原発回帰政策の象徴的銘柄として注目度が高い。廃炉・除染技術のノウハウも独自の資産。

関西電力(9503)

関西電力(9503)
関西圏の主要電力会社で、大飯原発など複数の原子炉を擁する。原子力比率の高さが特徴で、再稼働や電力販売契約の拡大が業績に直結。近年はデータセンター需要など新電力ニーズへの対応も進む中、コーポレートガバナンス改善と資産効率化により株主還元強化の期待あり。原子力セクターのベンチマーク的存在。

原子力銘柄としての強み
・国内最高の原発依存度
・大飯・高浜・美浜 稼働中
・安定した低コスト電源
・日本原燃への持分

国内電力会社で最も高い原子力発電比率を誇り、既に複数基が稼働中。再稼働に伴うコスト低減効果で高収益体質を維持。政府の「原子力最大限活用」方針の最大受益者。原発依存度が高いほど恩恵が大きく、国内随一の原子力関連純粋プレイ。

中部電力(9502)

中部電力(9502)
東海地震リスクの高浜原発に象徴される原子力事業を抱える一方、新規設備投資と海外エネルギー事業にも注力。原子力再稼働の進捗が株価にセンチメント影響を与えるため価格変動リスクありだが、長期的には脱炭素ポートフォリオの核として中核事業価値が高い。海外SMR(小型炉)など将来技術投資も注目ポイント。

原子力銘柄としての強み
・浜岡原発再稼働準備
・NuScale SMR出資
・次世代原子力に先行投資
・データセンター電力需要増

浜岡原発の再稼働が実現すれば収益改善効果が大きい。米NuScale社の小型モジュール炉(SMR)プロジェクトに出資するなど次世代原子力への先行投資も注目点。電力需要増加局面で原発再稼働のアップサイドを内包する銘柄。

九州電力(9508)

九州電力(9508)
九州地域を基盤とする電力会社で、玄海・川内原発の運転が核となる収益源。原発比率の高さから燃料コストの安定性が相対的に高く、再稼働進展が利益率改善に直結する。安定配当ニーズが強い投資家に魅力的で、地域経済に根差したインフラ株として防御的側面も評価される。

原子力銘柄としての強み
・川内・玄海原発 稼働中
・再稼働先行 収益安定
・原発4基 国内最多水準の稼働
・低コスト安定電源確保

川内・玄海の各原発が安定稼働中であり、国内電力会社の中で最もいち早く原発再稼働の恩恵を享受。安定した低コスト電源として収益に貢献。今後の原発長期運転延長でさらなる収益貢献が期待される。

北海道電力(9509)

北海道電力(9509)
北海道内で電力供給を行う老舗電力会社で、泊原発など原子力設備を保有。季節変動が激しい地域特性により電力需給の最適化が経営課題だが、原子力再稼働による燃料コスト低減が見込める。地域独占的事業モデルから安定CF創出力は大きく、政策誘導が強いテーマ株としても構造的に注目される。

原子力銘柄としての強み
・泊原発3基 再稼働へ
・再稼働で大幅収益改善
・バリュー株的上昇余地
・国策支援で規制緩和期待

泊原発3基の再稼働が実現すれば収益改善インパクトが非常に大きく、割安バリュー株として大きな上昇余地を内包。政府の原子力活用方針を追い風に規制審査が進めば、最も劇的な株価変化が期待できる銘柄のひとつ。

日本製鋼所(5631)

日本製鋼所(5631)
原子力・火力を含む発電設備向けの大型鋳鍛鋼部材で高いシェアを持つ重工系企業。特に原子炉圧力容器など安全性・品質要求の高い部材事業が強みで、SMR(小型原子炉)など新技術分野の受注拡大余地あり。重厚長大セクターながら、グローバルな部材供給基盤を背景に中長期成長ドライバーが期待できる。

原子力銘柄としての強み
・原子炉圧力容器 寡占
・大型鋳鍛鋼 国内最高技術
・クラッド鋼管 独自品

原子炉圧力容器の国内外供給において代替不能な寡占的地位を持つ。極厚の大型鋳鍛鋼製品は製造できる企業が世界的にも限られており、参入障壁が極めて高い。原発再稼働・新増設のたびに確実な受注増が見込まれる。

木村化工機(6378)

木村化工機(6378)
化学プラント向け機器の専門メーカーだが、核燃料輸送容器や放射性廃棄物処理装置など原子力関連機器も手掛ける。ニッチ分野だが競合が少なく、技術優位性を活かして受注拡大の可能性。原子力関連の部材株として中小型株投資の選択肢に入り、リスク許容度高めの投資家には魅力的なテーマ性あり。

原子力銘柄としての強み
・キャスク(燃料貯蔵容器)
・放射性廃棄物処理設備
・核燃料リサイクル施設

使用済み核燃料の輸送・貯蔵に使う鋼製容器「キャスク」や放射性廃棄物処理設備・核燃料リサイクル施設の建設に注力。原発が増えるほどバックエンド処理需要が増加し、同社への発注が拡大する構造を持つ。

IHI(7013)

IHI(7013)
IHIは重工業大手として原子炉格納容器や圧力容器など原子力プラント関連装置を提供。インフラプラント事業の一角を担い、国内外の大型案件受注が収益を左右する。原子力分野は全体売上の一部だが、プラント建設需要回復局面では成長ポテンシャルが高く、景気循環株として波に乗る可能性あり。

原子力銘柄としての強み
・原子炉格納容器 製造実績
・SMR(小型モジュール炉)
・NuScale出資 次世代炉
・廃炉事業 積極展開

BWR/ABWR/PWR向け原子炉圧力容器・格納容器・配管を1950年代から供給し続ける実績を持つ。米NuScaleのSMR技術を通じて次世代原子力市場にも先行。国内再稼働対応から廃炉、さらには次世代炉へと幅広い収益機会を持つ。

太平電業(1968)

太平電業(1968)
発電所などのプラント工事・メンテナンスを手掛ける中堅重機株。原子力発電所の建設、保守・改修需要を取り込むポジションにあり、規制緩和や再稼働進展時には受注が急増する可能性。時価総額は中型株クラスで機動的な成長余地があり、設備投資回復局面でテーマ性の高い小型株として関心が集まる。

原子力銘柄としての強み
・国内原発70%の建設実績
・再稼働工事 施工エリア拡大
・廃止措置(廃炉)対応
・独立系で複数電力と取引

日本初の商業炉(東海発電所)建設以来、国内原発の約70%の建設実績を誇るパイオニア。特定電力会社への依存がない独立系の強みで複数電力と取引。再稼働工事・廃炉工事の増加を直接的に収益に取り込む体制が整っている。

助川電気工業(7711)

助川電気工業(7711)
原子力関連の熱制御機器・計装類など専門性の高い製品を提供。原発の安全運転・保守に不可欠な技術を持ち、需要は安定的。規模は比較的小さいため市場評価がつきにくいが、特定分野での技術力は評価に値する。中長期では原子力だけでなく他のプラント事業でも収益拡大余地あり。

原子力銘柄としての強み
・模擬燃料集合体 特化製品
・電磁ポンプ・温度センサー
・核融合研究炉向け製品
・次世代革新炉 研究開発貢献

原子力用模擬燃料集合体という特殊ニッチに強みを持ち、研究機関向け溶融金属ループ等の核融合関連製品も伸長。2025年2月の第7次エネルギー基本計画での原子力・核融合活用方針が強い追い風。再稼働+次世代炉の両面で受注増が続く。

東京エネシス(1945)

東京エネシス(1945)
発電所の建設・メンテナンスを中心に事業を展開する中堅企業。原子力を含む大規模エネルギー設備関連の受注環境が改善すれば直接的な売上増加が期待できる。規模は小さいが、設備投資サイクルに左右されやすい分、テーマ株としての値動きが出やすいのが特徴。環境変化を見極めつつ短中期トレードでも面白い。

原子力銘柄としての強み
・東電系 原発建設・メンテ
・柏崎刈羽 再稼働工事
・東電グループ 安定受注基盤
・水力〜原子力 全電源対応

東京電力関連の原子力発電所建設・メンテナンス工事に特化した強みを持つ。柏崎刈羽原発の再稼働進展は、同社への直接的な工事発注増加につながる。東電グループという安定受注基盤を持ちながら、原発政策の恩恵を最もダイレクトに享受できる銘柄。

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原子力発電関連株の総まとめ|電力・重電・設備工事・ニッチ部材に分けて戦略的に狙う

ここまで紹介してきた原子力発電関連の注目10社は、大きく「電力会社」「重工・素材メーカー」「プラント工事・メンテナンス」「専門機器・ニッチ部材」の4つに分類できます。投資戦略を考えるうえでは、この“立ち位置の違い”を理解することが極めて重要です。

■① 電力会社(東京電力HD〈9501〉、関西電力〈9503〉、中部電力〈9502〉、九州電力〈9508〉、北海道電力〈9509〉)

原発再稼働の恩恵を最も直接的に受けるのが電力各社です。燃料費削減による利益改善効果が大きく、配当回復や財務改善が進めば評価見直し余地があります。比較的ディフェンシブ性もあり、「政策×業績改善」を狙う中核ポジションといえます。

■② 重工・素材メーカー(IHI〈7013〉、日本製鋼所〈5631〉)

原子炉関連設備や圧力容器などを担う中核プレイヤー。再稼働だけでなく、将来的な次世代炉(SMR)や海外案件の拡大が成長ドライバーです。業績は受注動向に左右されやすいものの、中長期では技術力が評価軸となるセクターです。

■③ プラント工事・メンテナンス(太平電業〈1968〉、東京エネシス〈1945〉)

再稼働や安全対策工事、設備更新、さらには廃炉ビジネスまで幅広く関与。設備投資局面では業績が跳ねやすく、テーマ資金が入りやすい特徴があります。中型株中心で値動きも出やすく、タイミング投資にも向きます。

■④ 専門機器・ニッチ部材(助川電気工業〈7711〉)

計測・熱制御など専門分野で不可欠な存在。規模は小さいものの、競争優位性が明確で、テーマ拡大時には株価弾性が高い傾向があります。リスクはあるものの、成長期待を織り込みやすい領域です。

原子力関連株は「電力株の再評価」という側面だけでなく、「重工・素材の受注回復」「メンテナンス需要の拡大」「次世代炉という長期テーマ」といった複数の投資軸を持つテーマです。

短期では政策・規制ニュースに反応しやすく、長期ではエネルギー安全保障と脱炭素という国家的課題に支えられています。

したがって、
安定重視なら電力、
成長性重視なら重工、
値動き妙味なら中小型設備株、

というように、自身のリスク許容度に応じてセクターを組み合わせることが、原子力発電関連株を攻略する鍵となるでしょう。

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