サイバー攻撃の脅威が年々増すなか、企業・政府ともにセキュリティ投資を加速させています。特に2025年はゼロトラスト、生成AI、クラウド移行の進展に伴い、サイバーセキュリティ関連の需要が一段と高まると予想されます。
本記事では、国内上場企業の中から成長性・国策との親和性・収益性などの観点で厳選した注目のサイバーセキュリティ関連銘柄9選を紹介します。小型の成長株から安定した大型株まで、投資妙味ある企業を網羅していますので、テーマ株投資の参考にぜひご覧ください。
注目が高まるサイバーセキュリティ市場と日本株の魅力
近年、企業や政府機関を標的としたサイバー攻撃が増加の一途をたどり、サイバーセキュリティは経営の最重要課題の一つとされています。今後は、生成AIの普及やゼロトラストネットワークの導入拡大、クラウドサービスへの依存度上昇といった社会変化を背景に、セキュリティ対策の需要が加速度的に高まることが予想されます。
こうした流れを受け、サイバーセキュリティ関連銘柄は中長期の成長期待があるテーマ株として、個人投資家・機関投資家の双方から注目を集めています。中でも、国策・DX推進・教育・防衛・インフラ整備といった分野と密接に関わる企業は、株価上昇の起点となる材料を多く持っています。
FFRIセキュリティ(3692)

FFRIセキュリティは、東京都に本社を置く国産セキュリティソフトウェア開発専業企業です。2007年設立。AIによる未知のマルウェア検出やエンドポイント保護技術「FFRI yarai」などを展開。防衛・金融・政府機関などにも採用されており、高度な技術力に定評があります。
- 特徴:標的型攻撃やゼロデイ攻撃など、従来のアンチウイルスでは検知困難な攻撃に対応。
- 投資妙味:ゼロトラスト・防衛関連・官公庁向けの需要増により再評価の可能性。国産製品として希少性あり。
グローバルセキュリティエキスパート(4417)

グローバルセキュリティエキスパートは、サイバーセキュリティ教育・コンサルティング・セキュリティ運用支援を行う企業。2000年設立で、主に企業のセキュリティ体制構築や教育訓練などに強みを持ちます。近年は地方自治体や中小企業への支援も拡大。
- 特徴:教育+監視+実務支援をワンストップで提供。セキュリティ人材不足への対応にマッチ。
- 投資妙味:増収増益トレンドで利益率も向上中。DX化の進展に伴う人材・教育ニーズを享受。
網屋(4258)

網屋は、ログ管理製品「ALog」や、ゼロトラスト対応のネットワーク可視化サービスを手掛けるセキュリティソフト開発企業。中堅中小企業への導入実績が多く、SaaS型ビジネスモデルへの移行を進めています。
- 特徴:ALogシリーズは国内ログ管理市場で高いシェアを持つ。セキュリティの“見える化”に注力。
- 投資妙味:ストック比率の高さと堅実な成長。上場後も黒字基調で業績は安定。
トレンドマイクロ(4704)

1988年創業、日本を代表するグローバルセキュリティベンダー。個人・法人向けのウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」に加え、企業のクラウド・ネットワーク・エンドポイント保護などを広範に展開。世界150か国以上で事業展開。
- 特徴:エンタープライズ向けで国内トップ。AWS・Azure・GCP向けのクラウドセキュリティでも評価。
- 投資妙味:安定した収益構造と高い自己資本比率。配当も継続的に支払い。
ソリトンシステムズ(3040)

1969年設立の老舗IT企業。セキュリティ、ネットワーク、映像伝送の3本柱を持つ。セキュリティでは端末認証・リモートアクセス・ログ管理などを提供し、ゼロトラスト環境の基盤づくりにも対応しています。
- 特徴:技術志向が強く、官公庁・大学・大企業への導入実績も豊富。
- 投資妙味:直近でセキュリティ部門に注力。ゼロトラストやBYOD関連で需要増加の兆し。
LAC(ラック)(3857)

1995年設立のセキュリティ専業大手。サイバー救急センターの運営、セキュリティ診断、コンサルティングなどを実施。政府機関や大企業からの受託案件を多く持つ信頼性の高い企業です。
- 特徴:SOC(セキュリティ運用監視)分野で国内最大級の実績。
- 投資妙味:ゼロトラスト、AI監視、演習需要など国策テーマに合致。業績は黒字回復基調。
デジタルアーツ(2326)

1995年創業、東京に本社を構える情報セキュリティソフト開発企業。Webフィルタリング製品「i-FILTER」やメールセキュリティ製品「m-FILTER」で知られ、文教・官公庁向け市場に強みがあります。
- 特徴:自社開発エンジンで高性能なフィルタリング技術を実現。国内文教市場トップクラス。
- 投資妙味:教育ICT・GIGAスクール構想などの政府案件と相性が良く、営業利益率も高水準。
HENNGE(4475)

クラウド型セキュリティサービス「HENNGE One」で知られるSaaS企業。企業のMicrosoft 365やGoogle Workspaceのアカウント保護・アクセス制御・ログ監査などを一括で管理するゼロトラスト型IDaaSサービスを展開。
- 特徴:SaaSセキュリティ分野で急成長。ストック比率が90%超。
- 投資妙味:解約率1%未満、契約継続性が高く、今後の海外展開にも注目。
アズジェント(4288)

名古屋に本社を置く中堅ITセキュリティ企業。海外製セキュリティ製品の日本市場展開に加え、自社でのセキュリティソリューション開発・提供にも取り組む。ゼロトラスト・EDR・SIEMなど先端領域をカバー。
- 特徴:ニッチ領域に特化しつつも、最新トレンドに敏感。大手ベンダーとの協業も。
- 投資妙味:株価は割安圏で、材料が出れば短期急騰の可能性も。
まとめ:多層化するサイバーセキュリティ市場、各社の強みをどう見るか
サイバー攻撃の巧妙化や生成AIの普及により、情報漏えい・不正アクセス対策の需要は年々高まっています。本記事で紹介した9社も、セキュリティ市場の中で異なる領域に特化し、独自の技術とビジネスモデルで存在感を示す企業群です。ここでは、それぞれの特徴を分野別に整理してみましょう。
■ 総合セキュリティ&防御ソフト分野
- トレンドマイクロ(4704)…国内最大手として、法人・個人の両市場で幅広い製品を展開。クラウドやIoTなど新領域への拡張も進み、グローバルな競争力を維持しています。
- デジタルアーツ(2326)…フィルタリングソフトで国内トップシェアを持ち、文教・官公庁向けに強み。情報漏えい対策ソリューションなど、国産セキュリティの柱的存在です。
■ 企業向けソリューション・コンサルティング分野
- LAC(ラック)(3857)…官公庁・大企業向けにセキュリティ診断や監視サービスを提供。SOC(Security Operation Center)運営など、国内随一の実績を誇ります。
- グローバルセキュリティエキスパート(4417)…人材教育とコンサルティングに強みを持ち、企業の情報セキュリティ体制構築を支援。セキュリティ人材の育成需要の高まりが追い風です。
- 網屋(4258)…ネットワーク可視化や内部不正防止に特化。クラウド型ログ管理「ALog」シリーズが好調で、中堅企業にも浸透しています。
- アズジェント(4288)…海外製の先進セキュリティ製品を国内導入・販売。グローバル技術を国内市場へ橋渡しするポジションで、幅広い顧客基盤を持ちます。
■ 高度技術・次世代防御分野
- FFRIセキュリティ(3692)…AI解析やエンドポイント防御に強みを持ち、未知のマルウェア対策で注目。政府・大企業との連携も多く、国産技術の中核的存在です。
- ソリトンシステムズ(3040)…認証・アクセス管理の分野で定評。ゼロトラスト時代のID管理やリモートアクセス需要の拡大を追い風に事業を伸ばしています。
- HENNGE(4475)…クラウドセキュリティと認証管理を中心に、SaaS連携を支えるプラットフォームを展開。企業のDX推進とともに成長が期待されます。
■ 今後の展望
セキュリティ市場は、「防御」から「統合管理」へと進化しつつあります。AIによる自動検知、ゼロトラスト化、クラウド連携など、新たな潮流に対応できる企業が次の主役になるでしょう。今回紹介した9社はいずれも、その変化の最前線で存在感を示す国内有力プレイヤーです。
サイバーリスクが経営リスクに直結する今、これら企業の動向は、投資家だけでなく、あらゆる組織にとって注視すべきテーマといえます。
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