再生可能エネルギー分野で注目を集めている「ペロブスカイト太陽電池」。従来のシリコン型に比べて軽量・低コスト・高効率といった特長を持ち、次世代の太陽電池として世界的に開発競争が進んでいます。日本国内でも大学や大手メーカーを中心に研究開発が加速しており、株式市場でも関連銘柄への関心が高まっています。
本記事では、ペロブスカイト太陽電池関連の注目日本株をピックアップし、それぞれの企業の強みや将来性についてわかりやすく解説します。投資を検討している方はぜひ参考にしてください。
ペロブスカイト太陽電池とは?次世代エネルギー技術の注目ポイント
ペロブスカイト太陽電池とは、鉱物「ペロブスカイト型結晶構造」を持つ化合物を利用した次世代型の太陽電池です。従来主流であったシリコン太陽電池に比べ、軽量・低コスト・高効率という三拍子が揃っている点が大きな特徴です。さらに、柔軟性を持たせやすく、建物の壁面や窓ガラス、車体表面など多様な場所に設置できる応用力も注目されています。
現在は耐久性や量産化コストといった課題が残るものの、日本国内では大学や大手メーカーを中心に研究開発が加速しており、実用化に向けた実証実験も進行中です。カーボンニュートラルの実現に向けた政府方針や再エネ需要の高まりも追い風となり、関連企業の株式は中長期的な成長テーマとして注目を集めています。
積水化学工業(4204)

積水化学は住宅や高分子化学製品で知られますが、ペロブスカイト太陽電池の開発において世界的に先行している企業の一つです。フレキシブルで軽量な太陽電池を実現するため、建材や窓に組み込める技術を推進しており、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する可能性が高いと期待されています。政府の脱炭素方針に沿った実証実験も進み、商用化に向けた取り組みが着実に進展。住宅や都市インフラとの親和性が高く、中長期で成長が見込める有力銘柄です。
業界トップランナー:2025年1月に新会社「積水ソーラーフィルム株式会社」を設立し、量産化を開始
・フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化で先行
・建物外壁、防音壁、営農型など多様な設置実証を実施
・2030年にGW級製造ライン構築を目指す
・大阪・関西万博での大規模展示も予定
パナソニックホールディングス(6752)

パナソニックは従来の太陽光発電でも豊富な実績を持ち、現在は次世代型であるペロブスカイト太陽電池の実用化に注力しています。特に建物一体型(BIPV)や車載用応用など、多様な市場を見据えた研究開発を展開。再生可能エネルギー分野における存在感をさらに高めようとしています。世界的なエネルギー転換の流れに乗り、既存の製造技術や販路を活用できる点は大きな強み。持続的成長を目指すESG投資の観点からも注目度の高い銘柄です。
ガラス建材一体型技術:変換効率18.1%を達成、透過度調整可能なガラス型を開発
・建材一体型ペロブスカイト太陽電池に特化
・2026年までの事業参入を計画
・藤沢サスティナブル・スマートタウンで長期実証実験中
・建物への美観的な統合を重視した設計
シャープ(6753)

シャープは太陽電池事業の長い歴史を持ち、近年はペロブスカイト太陽電池の研究に力を入れています。住宅や建材への応用を想定し、軽量で薄型のセルを開発中で、エネルギー効率向上と低コスト化を両立する狙いがあります。海外メーカーとの競争が激しい中、日本国内でのパートナーシップ強化や官公庁との実証実験にも取り組んでおり、技術的優位性を高めている点が評価されています。再生可能エネルギーの普及拡大とともに、再成長が期待できる企業です。
既存太陽電池技術:長年の太陽電池製造ノウハウと量産技術を保有
・シリコン太陽電池での豊富な経験とノウハウ
・量産技術と品質管理システムの蓄積
・次世代太陽電池への技術応用可能性
・グローバルな生産・販売ネットワーク
東レ(3402)

東レは高分子化学と先端素材のリーディングカンパニーであり、ペロブスカイト太陽電池に不可欠なフィルムや電極材料を供給できる点で注目されています。特に透明導電フィルムや耐久性を高める高分子素材は、太陽電池の長寿命化に直結するため市場拡大の追い風となります。同社は航空機や水処理膜など成長分野も多く、ペロブスカイト太陽電池関連もその一角を担う可能性が大。幅広い産業への材料供給による安定収益と、新技術による成長期待が共存する点が魅力です。
フィルム・膜技術:高機能フィルムや封止材料の技術基盤を保有
・フレキシブル基板用高機能フィルム技術
・バリア性・耐候性に優れた封止材料
・精密塗工技術と表面処理技術
・軽量化・薄型化に貢献する材料技術
三井化学(4183)

三井化学は多様な化学製品を手掛け、ペロブスカイト太陽電池においては封止材やフィルムといった周辺素材を強みとしています。耐久性や環境耐性を高める材料は商用化のカギを握っており、同社の技術力が注目されています。再エネ関連需要が拡大する中で、化学メーカーとして早期に参入している点は先行優位。既存事業の安定収益を基盤にしながら、新エネルギー関連でのポートフォリオ拡充を進めており、成長シナリオに厚みを加えています。
機能性材料技術:封止材や接着剤などの機能性ポリマー技術を保有
・高耐候性エチレン系ポリマー技術
・光学用途向け高透明樹脂
・接着・粘着技術による積層構造の実現
・化学品製造プロセスの最適化技術
日東電工(6988)

日東電工は粘着テープやフィルム製品のグローバルメーカーで、ペロブスカイト太陽電池に必要な保護フィルムや光学材料を提供できる技術基盤を持ちます。特に耐久性や防湿性の向上は商用化に不可欠であり、同社の製品群は欠かせない要素技術となり得ます。EVや電子機器向けの事業でも高収益を確保しており、新たな成長ドライバーとして再生可能エネルギー関連市場への期待が高まっています。長期的な視点で投資妙味のある銘柄といえます。
精密加工・接着技術:光学フィルムや粘着テープの精密加工技術を保有
・超薄型光学フィルムの製造技術
・精密パターニング・エッチング技術
・各種基材への高性能粘着技術
・電子部品向け機能性テープ・シート
住友化学(4005)

住友化学は幅広い化学製品を展開し、ペロブスカイト太陽電池分野では発電効率を高める材料や層形成技術に注力しています。長期耐久性の課題を克服するため、共同研究や産学連携を進めており、日本の再エネ技術の底上げに貢献する立場にあります。既存事業の石化や農薬に依存しない新収益源としても期待が高まっており、ESG投資の観点からも評価可能。技術のブレークスルーが進めば株価に反映されやすい銘柄といえるでしょう。
有機材料・添加剤技術:液晶材料や有機EL材料での先端技術を保有
・高純度化学品の合成・精製技術
・有機化合物の分子設計技術
・電子材料用添加剤・安定化剤
・大量生産プロセスの工業化技術
JSR(4185)

半導体材料大手のJSRは、ペロブスカイト太陽電池に応用可能な高機能材料を研究開発しています。特に塗布型プロセスや薄膜化技術との相性が良く、製造コスト削減に貢献できる点が強みです。半導体やディスプレイ材料で培った精密加工技術を太陽電池分野に応用することで、新たな事業領域を開拓。再生可能エネルギー関連需要の拡大を背景に、中期的な成長ストーリーが期待できます。化学×エネルギーの融合分野で存在感を高める可能性が高い銘柄です。
精密化学品技術:半導体用材料での高純度化学品製造技術を保有
・高純度材料の合成・精製技術
・微細パターニング用材料技術
・電子材料向け機能性ポリマー
・クリーンルーム環境での品質管理技術
カネカ(4118)

カネカは有機薄膜太陽電池の開発に長年取り組んできた実績があり、その技術をペロブスカイト太陽電池へ応用しています。軽量で柔軟性のあるモジュールの実現を目指しており、住宅や建築物、さらにはウェアラブル用途など多様な展開が可能です。化学メーカーとしての多彩な素材開発力を背景に、量産化技術や安定性の課題に挑戦している点が特徴。既存の太陽電池技術とのハイブリッド展開も視野に入れ、成長余地は大きいと考えられます。
太陽電池開発経験:薄膜シリコン太陽電池の開発・製造実績を保有
・薄膜太陽電池の製造技術とノウハウ
・高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発中
・真空プロセス技術と薄膜形成技術
・太陽電池モジュール化技術
東京応化工業(4186)

東京応化工業はフォトレジストの世界的サプライヤーとして知られますが、ペロブスカイト太陽電池関連のプロセス材料にも注力しています。半導体製造で培った高純度化学技術を活かし、薄膜形成や電極接合などの分野で活躍が期待されます。研究開発型企業として常に新市場を開拓しており、再生可能エネルギー分野は次の成長ステージと目されます。世界的なカーボンニュートラルの流れを背景に、同社の存在感は今後一層高まるでしょう。
フォトレジスト技術:半導体製造用の高純度化学品と精密加工材料技術を保有
・超高純度化学品の合成・精製技術
・微細パターニング・リソグラフィ技術
・機能性高分子材料の分子設計
・薄膜コーティング・現像プロセス技術
まとめ|ペロブスカイト太陽電池関連株の注目ポイント
ペロブスカイト太陽電池は、シリコンに代わる次世代エネルギー技術として世界的に注目されています。今回紹介した10社を整理すると、大きく三つのカテゴリに分けられます。
まずエレクトロニクス・住宅メーカー系(積水化学、パナソニック、シャープ)は、既存の太陽電池事業や建材事業と組み合わせて実用化を進めており、早期の商用展開が期待されます。
次に素材・化学メーカー系(東レ、三井化学、日東電工、住友化学、JSR、カネカ、東京応化工業)は、フィルム・電極・封止材といった基幹部材を担う存在で、耐久性や量産化コストの課題解決に直結する技術力を持っています。素材サプライヤーとして幅広い業界に関わるため、収益基盤が安定している点も投資妙味です。
総じて、ペロブスカイト太陽電池の実用化はまだ途上にあるものの、日本企業の強みである「高分子素材」「精密加工技術」「建材応用」が結集することで、世界市場における競争力を高めています。脱炭素の流れを背景に、関連銘柄は中長期的な成長テーマとして注視すべき領域といえるでしょう。
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