国民民主党代表の玉木雄一郎氏は、「手取りを増やす」「投資を増やす」「教育・科学技術を強化する」という政策スローガンを掲げ、次の選挙への存在感を高めています。一方で、こうした政策の方向性は、株式市場における“玉木期待”を呼び起こし、実際に「政策テーマ型銘柄（＝玉木銘柄）」と呼ばれる銘柄群が注目され始めています。本記事では、玉木氏の政策方針と株式市場への影響を踏まえ、注目されやすい関連銘柄をピックアップし、その背景とリスクを解説します。
玉木雄一郎銘柄で注目される政策テーマとは？
国民民主党代表・玉木雄一郎氏が掲げる政策は、「現実的な改革」と「国民生活の底上げ」をキーワードに、経済の実質成長を重視する点に特徴がある。とくに、賃上げ支援、エネルギー政策の見直し、子育て・教育支援、地方経済の活性化などが注目される分野だ。
エネルギー分野では、再生可能エネルギーと原子力の「現実的共存」を掲げ、電力の安定供給と価格抑制を両立させる方針を示している。これにより、電力関連株や設備保守・発電インフラ企業への資金流入が期待される。また、賃上げや物価対策の推進により、内需関連企業――特に消費財・住宅・サービス業など――にも恩恵が波及する可能性がある。
さらに、教育・子育て支援策では、保育・教育ICT化関連や住宅支援企業が注目を集める見込みだ。地方創生策に関しては、地方インフラや観光関連企業の再評価につながることが考えられる。つまり、玉木政策では「生活者目線の成長戦略」に焦点が当たり、バラマキではなく“投資型成長”を軸とした政策が市場に新しいテーマを生み出す可能性がある。
インソース（6200）
インソースは、法人向け研修・人材育成、コンサルティング、DX研修支援を手がける企業です。 国民民主党が重視する“リスキリング”“人的資本重視”、“教育・学び直し支援”と親和性が高く、政策支援の拡充が追い風になりうる銘柄と見られています。足元では、決算でも売上・営業利益が伸長しており、成長性とテーマ性を併せ持つ点が評価材料となるでしょう。リスクとしては、補助金や政策支援に過度に依存する構図にならないか、また研修需要の落ち込みや競争激化に晒されやすいことが挙げられます。ただ、人的資本強化の潮流が続くなら中長期でのテーマ株として妙味が期待されます。
ショーボンドホールディングス（1414）
ショーボンドHDは土木・補修工事・環境設備事業などを展開する建設関連企業です。国土強靭化やインフラ補修、公共事業投資拡大が政策課題となる中、公共投資拡大の潮流が追い風となる可能性があります（国民民主もインフラ・成長分野支援を掲げています）。投資妙味としては、公共工事の上振れ期待、補修需要拡大、安定キャッシュフロー性が挙げられます。ただし、政策採算性、予算獲得競争、資材・人件費高騰リスク、受注の地域バラツキなどの不確実性も無視できません。
ロイヤルホールディングス（8179）
ロイヤルHDは外食業、レストランチェーンなどを中核とする企業です。国民民主が掲げる“手取り向上・消費喚起”政策は、消費型産業へのプラス効果をもたらす可能性があり、外食需要の回復期待が株価の追い風になり得ます。投資妙味としては、政策期待先行による株価上振れ余地、景気回復サイクルとの相関性、そして顧客回復余地がある点が魅力です。ただし、外食業界固有の競争激化、原材料コスト上昇、店舗運営コスト負荷、感染症リスクなど下振れリスクも大きいため、業績見通し・営業効率変化を慎重に見る必要があります。
チエル（3933）
学校ICT領域で教育DX、校務DX支援システムを提供するソフトウェア企業。教室運営支援、教材クラウド配信、校務管理ツールなどを手がけ、自治体や学校への導入実績を持つ。政策による教育ICT強化や補助金拡充が追い風になりうる。スケール拡大余地は大きく、新規自治体案件受注や教科書デジタル化などの市場開拓力が鍵。ただし導入進捗の遅延、自治体予算制約、中小ICT業者との競争激化のリスクは無視できない。
電算システムホールディングス（4072）
ICT・情報システム開発、公共・学校向け情報化支援を手がける企業。教育DX、自治体システム、クラウド連携など複数分野で実績がある。玉木政策でデジタル投資や教育ICT支援が強化されれば、公共調達案件や自治体システム案件受注拡大が期待される。ただ、公共案件は入札競争が激しく、採算性・納期遵守・システム保守コスト管理が重要。先行投資負担やキャッシュフロー管理にも注視が必要。
日本電気（NEC／6701）
大手総合電機メーカー。ICT、ネットワーク、公共インフラ、スマートシティ、教育ICT分野など広い領域で事業を展開。教育DXや地方自治体スマート化政策が前景化すれば、NECは優位な立ち位置を取り得る。資金力や技術基盤も強く、受託耐性も高い。ただ、大企業ゆえのコスト構造、既存事業の重み、競合との技術差別化、公共案件の採算性管理が課題。
大日本印刷（DNP／7912）
印刷・出版を基盤に、教育ICT、教材プラットフォーム、デジタル教材事業、情報印刷ソリューション等も手がける。教育分野での補助金支援が拡大すれば、デジタル教材供給や教育プラットフォーム提供が脚光を浴びる可能性。強みは既存流通網と編集・コンテンツ制作ノウハウ。ただ、印刷部門の縮小圧力、デジタル転換コスト、他IT企業との競合にさらされるリスクがある。
日本ガイシ（5333）
ガイシ・セラミックス素材を得意とする企業で、電力・電子部品との親和性が高い。特に蓄電池用途や電力インフラ向け絶縁材料などで役割を持つことが期待される。脱炭素政策や再生可能エネルギー関連投資が進めば、電力変換・蓄電技術の供給側として注目を浴びる可能性。技術優位性と素材力が武器。ただ、素材事業は景気変動に敏感、投資回収期間の長さ、価格競争も課題。
ジェイ エフ イー ホールディングス（JFE HD／5411）
鉄鋼を主軸としつつ、再生可能エネルギー、太陽熱発電、熱回収プラントなど環境技術開発への展開も模索している。鉄鋼業の母体が大きいため、政策誘導やインフラ投資拡大の恩恵を受けやすい面もある。低炭素素材や環境対応製造技術への転換が進めば投資家評価も上がる可能性。ただ、鉄鋼市況変動、原材料コスト高騰、環境投資負担拡大が逆風となりうる。
レノバ（9519）
再生可能エネルギー発電プロジェクト開発・運営を主に手がける独立系再エネ企業。太陽光、風力、バイオマス等を手掛け、ストレージ事業にも着手。脱炭素政策や再生可能エネルギー支援策強化が流れになれば、注目度が高まる可能性がある。プロジェクト開発能力・土地取得交渉力が鍵。ただ、発電収入の変動性、資金調達リスク、許認可／地元反対リスク、補助金・制度変動リスクが伴う。
まとめ：国民民主党の政策が後押しする「現実的成長株10社」
玉木雄一郎代表率いる国民民主党は、「現実的改革」と「持続可能な成長」の両立を掲げ、教育DX、インフラ更新、再生可能エネルギー推進などを重要政策に据えている。こうした政策方針のもとで注目されるのが、以下の10社だ。
① 教育・人材育成DX関連
・インソース（6200）
・チエル（3933）
・電算システムホールディングス（4072）
― 教育・研修分野のデジタル化を支える企業群。国民民主党が掲げる「教育投資の拡充」や「リスキリング支援」が追い風となり、官民の人材育成需要を取り込む可能性が高い。
② インフラ維持・防災関連
・ショーボンドホールディングス（1414）
・JFEホールディングス（5411）
・日本ガイシ（5333）
― 国土強靭化と老朽インフラ更新を支える柱。耐震補修、橋梁補強、素材技術の3分野で中長期需要が見込まれる。特にJFEや日本ガイシは、環境対応型インフラ資材への転換も進めており、政策の後押しが期待される。
③ エネルギー転換・環境技術関連
・レノバ（9519）
・日本電気（NEC／6701）
― 再生可能エネルギーとスマートグリッド関連企業。玉木代表が強調する「現実的な脱炭素社会の実現」において、レノバは発電事業の中心、NECは制御・通信の基盤として注目される。
④ 地域活性・生活基盤関連
・ロイヤルホールディングス（8179）
・大日本印刷（DNP／7912）
― 観光・食・地域文化を支える企業として、地方創生やデジタル地域通貨などの政策とも親和性が高い。特にDNPはマイナカード関連や電子決済分野でも存在感を高めており、行政デジタル化の波に乗る形だ。
これら10社はいずれも、国民民主党の掲げる「成長と分配の好循環」政策の恩恵を受ける可能性を秘めている。エネルギー転換、教育DX、インフラ再構築といった社会的課題の解決を軸に、中長期的なテーマ株として注視すべき“玉木関連銘柄”といえるだろう。
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