【高校・政治経済】社会権

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【高校・政治経済】社会権について記述しています。

社会権

基本的人権の内容は、18世紀までは国民が国家による不当な支配から解放され、自由をめざす自由権が中心であった。このころの国家は、個人の権利に干渉すべきではないとされ、おもに治安の維持や国防などを任務とする夜警国家が理想とされた。

  • 夜警国家…政府の役割を国防や治安の維持など必要最小限なものとする国家

資本主義経済の発達とともに貧富の差が拡大してきたことから、20世紀に入ると、国民が国家に対して人間らしい生活を要求する社会権(社会権的基本権)の必要性が主張されるようになった。このため、現代では治安の維持や国防だけでなく、社会的弱者の救済や医療・福祉・教育の充実を任務とする。福祉国家がめざされている。

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生存権

日本国憲法では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(25条1項)として、生存権が規定され、国の責任としての社会福祉社会保障、公衆衛生の向上および増進が定められている(25条2項)。これらの規定に基づいて、生活保護法や健康保険法、さらに介護保険法など各種法律が制定・施行されている。

第25条(1)の規定については、国家に対して生存権の保障を、政治的・道義的な努力目標として義務づけたものにすぎず、国民に権利を保障したものではないとする説と、この規定は法的な権利を認めたものなので、これを根拠に生存権を主張できるとする説(法的権利説)があり対立している。

労働基本権

資本主義社会においては、労働者は使用者にくらべると弱い立場にある。そこで日本国憲法では、労働者が人間らしい生活ができるように労働者の権利を保障している。

憲法が定める労働基本権は、勤労権(27条1) と労働三権(28条)からなっている。

労働三権

労働三権とは、労働者がその立場を強化するために、

  • 労働組合を結成する権利(団結権)
  • 労働組合が使用者と労働条件について交渉する権利(団体交渉権)
  • ストライキなどの団体行動をおこなう権利(団体行動権または争議権)

の三つをいう。こうした労働者の権利を具体的に保護するためのおもな法律として、労働基準法・労働組合法・労働関係調整法があり、労働三法とよばれている。

労働基準法

労働基準法は、労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければならないとし、労働時間・休日・賃金などの労働条件の最低基準を定めている。この法律で定める労働条件の基準は、最低のものであの基準は、最低のものであるから、この基準を理由に労働条件を低下させてはならないし、向上するように努めなければならないとしている。

労働組合法

労働組合法は、労働組合を結成することのできる権利と団結権を保障し、さらに労働組合が賃金などの労働条件をめぐって使用者側と交渉して労働協約を締結するなどの団体交渉権を規定し、交渉の場面ではストライキなどの争議をおこなうことのできる権利を団体行動権(争議権)として認めている。

労働関係調整法

労働関係調整法は、労働者のストライキ、サボタージュ(怠業)に対し使用者側が対抗措置としてロックアウト(作業所閉鎖)をおこなうなど労使間の対立が激しくなり、当事者による自主的な解決が困難になったときには、労働委員会が斡旋・調停・仲裁によって争議を解決させることなどを定めている。

現在, 日本の公務員は国家公務員法や地方公務員法によって、争議権をはじめとする労働基本権の一部が制限されている。公務員は、全体の奉仕者であり、公共の福祉のため一般の労働者とは立場が違うとする考え方である。その一方で、公務員にも、他の労働者と同じ労働基本権が認められるべきだとする主張もある。

教育を受ける権利

人間らしい生活をするには、知識や技能を身につけることが必要不可欠である。日本国憲法は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を保障した上で、義務教育を無償としている(26条)。教育基本法や学校教育法などの法律によって教育の機会均等が保障され、さらに保護者にはその保護する子どもに教育を受けさせる義務を負わせている。

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