地球環境問題とその改善対策

経済分野第36講【高校・政治経済】地球環境問題についてまとめています。

地球環境問題

環境問題は、日本だけの問題ではなく、地球全体の問題になっている。石油や石炭などの化石燃料の使用によって排出される二酸化炭素(CO)が増加し、地球的な規模の気温上昇が温室効果になるといわれている。そのため海面が上昇して水没する地域が生まれたり、巨大ハリケーンなどの異常気象が生じたり、地域によっては砂漠化を促進したりしている。気象の変化が地域の植生を変え、生態系全体の変化をもたらしている。

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京都会議

1997年に開かれた気候変動枠組み条約の第3回締約国会議(京都会議)では、COなどの温室効果ガスを1990年を基準として削減することが合意された(京都議定書)。しかし、最大の排出国であるアメリカと中国は、経済発展を妨げるとして これを批准せず、発展途上国の多くも同じ態度をとっている。

酸性雨

工場や自動車から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物が大気中に溶け込んで、酸性雨や酸性霧が発生している。ヨーロッパ中部や北部、北米の五大湖地方、中国の東 北地方では、酸性雨が一因となって森林が枯れたり、コンクリートの建物が傷んだりしている。

オゾン層破壊

極地方上空のオゾン層が、クーラーや冷蔵庫の冷 媒に使用されたフロンガスによって破壊され、オゾンホールが現われるというオゾン層破壊の問題もある。このため、有害な紫外線が増え、それが皮膚ガンを発生させ、農作物の収量を減 少させることも心配されている。1987年に締結されたモントリオール議定書の参加国は、95年までに先進国のフロン生産と消費を全廃することを決めた。

その他の問題

  • 砂漠化
  • 土壌流失
  • 熱帯林の消失
  • 海洋汚染
  • 有害廃棄物の越境移動
  • 農薬による環境汚染
  • 野生生物種の絶滅

などがある。

国際的な取り組み

  • ワシントン条約…絶滅のおそれのある野生生物の輸出入を規制する条約
  • セリーズ(バルディーズ)の原則…タンカー事故などによる海洋汚染には民間 業が環境保全に責任を持つという原則
  • バーゼル条約…有害廃棄物の輸出入を禁止した条約

など。

ラムサール条約

ラムサール条約は、水鳥の生息地である湿地を保護するための条約であるが、日本でも釧路湿原などが登録された。世界文化遺産や自然遺産を保護するために、1972年に世界遺産条約がユネスコ総会で採択され、日本の自然遺産では、屋久島の縄文杉や白神山地のブナ林・知床などが登録されている。

公害対策基本法

多発する産業公害に対応するため、1967年に公害対策基本法が成立し、公害防止に対する事業者・国および地方公共団体の責務が明らかにされた。公害対策基本法には、経済界からの強い要求で、「経済の健全な発展との調和」という字句が入れられていたが、1970年の「公害国会」で、大気汚染防止法改正などの公害関係14法案が成立し、経済調和条項は削除された。

環境省

1971年には、公害防止や環境保全の施策を推進するために、環境庁(2001年から環境省)が設置された。さらに、公害を発生させた企業が公害防止費用や被害の補償をすべきという汚染者負担の原則(PPP)や、公害発生者に過失がなくても被害者に対して損害賠償責任を負わせる無過失責任制が確立した。

環境基本法

新しい生活型公害や地球環境問題にも対応するため、1993年には公害対策基本法と自然環境保全法を発展させた環境基本法が制定された。

環境アセスメント(環境影響評価)法

1997年には、開発が地域の環境にどのような影響を与えるかを事前に調査し、評価することを義務づけた環境アセスメント(環境影響評価)法が制定された。ISO14001(国際標準化機構の環境管理システム規格)の認証を進めたり、排出される廃棄物を別の分野や原料として使って、地球 全体にゴミを出さないというゼロ・エミッションやリサイクルまで見通した製品づくりなど、環境に配慮した行動計画に取り組む企業も増えはじめ、「良き企業市民」としてイメージアップをはかることが必要になってきた。

持続的発展が可能な社会

これまでの生活の豊かさや便利さのみを追求した大量消費・大量廃棄型社会から、有限な資源を浪費しない資源循環型社会への転換が必要で、2000年には循環型社会形成推進基本法、容器包装リサイクル法も成立した。2001年には家電リサイクル法も施行されて、ゴミの減量化・リサイクル化が 始められた。

環境を積極的に保全しようとする。市民の活動もみられる。不必要な土地開発や無秩序な宅地開発をやめて、自然環境を守ろうとする市民の寄付を元手に、土地を購入したり管理するナショナルトラストがつくられ、市民の要求によって地方公共団体が景観地の保有にのり出している。

覚えておきたい法律

  • 1967年…公害対策基本法を制定
  • 1971年…環境庁が設置
  • 1993年…環境基本法を制定
  • 1997年…環境アセスメント(環境影響評価)法が制定
  • 2000年…循環型社会形成推進基本法が成立
  • 2001年…家電リサイクル法が施行
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